2004-06-12



低反発マットとピアノ防音

さすがに暑くなって来たので、ログハウスのベッドの上に引いていた低反発マットをしまうことにした。母屋に運んだが押し入れに空きが無い。しょうがないので、息子たちの押し入れの布団の上に押し込んでおいた。

その夜、「おやすみなさ〜い」と二階に上がっていった小三の末っ子が、すぐに一階に降りてきた。表情がいくぶん険しい。居間に入るなり、嫁さんに

「ねえねぇお母さん、俺の布団の上にお父さんの低反発マットが置いて有って布団が引けな〜い」

と言った。口調は怒っているようだ。しかし何故か私に背を向けているので表情まではわからない。嫁さんは新聞を読みながら生返事をしている。すると末っ子は嫌々という口調で嫁さんに尋ねた。

「もう、しょうがないから低反発マットで寝てい〜い?」

相変わらず私に背を向けている。注意深く聞いていると、笑いをこらえているような声にも聞こえる。嫁さんが返事をしないので、「もう、低反発マットで寝るからねっ」と捨て台詞を残して居間から出て行った。そして、居間のドアを閉めるとき一瞬だけ私の方を見た。

その表情は間違いなく「ニヤッ」っとしていた。

実はちょっと前にピアノを買った。いままではクラビノーバ CLP-705 だったのだが、さすがにキータッチが軽い。本物のピアノが欲しいと娘たちにもせがまれ続け、ピアノの先生からもアコースティックピアノを早く買うよう勧められていたのだ。

購入したのは、YAMAHAのUX。中古で名古屋の楽器屋さんの音楽創庫から購入。 X支柱の良く鳴るピアノだ。良く鳴るのは嬉しいのだが、長女が弾くと居間中が共鳴し、窓を開けていると100m先からでも聞こえる。これは実験で確かめた。このままではちょっとまずい。

オークションでゴムのピアノ防音用インシュレーターを買い、設置してみたがあまり効果が無かった。確かに残響音は減った気がするが、音自体の大きさは相変わらずだった。

そんなとき、末っ子が最近使わなくなった布団の下に引く三つ折りのマットを思い出した。試しにピアノの裏の壁との隙間に押し込んでみる。すると、劇的に音量は減った。横にはみ出した部分を切ってピアノの下に押し込む。さらにクリアな音になる。

低反発マットは末っ子に取られたが、ピアノの防音工事は安価で終了。