Qちゃんのいないアテネ



名古屋女子マラソンに出ないと発表してからこうなる予感はあったが、いざ落選が決まってみると、喪失感がいっぱいだ。悲しい。

オリンピックの中でもやはり女子マラソン(何故女性ではなく女子なんだろう)は一番の人気種目、誰が出るかさえあまり話題にならなかった男子マラソンの推定百倍の人気だろう。誰がその人気を作り上げ支えたのか陸連は考えているのだろうか。少なくとも陸連ではないはずだ。

国民の多くがリアルタイムでテレビを前にして手に汗を握る二時間半、神話の世界を舞台にキュートなランナーが世界の強豪とプライドをかけて戦うレースに、日本は国民栄誉賞の主演女優を失ったことになる。日本人にとってアテネオリンピックの魅力は半減したことだろう。少なくとも私にとってはそうだ。

これでもしU23のサッカーが出れなかったら、ますます遠い国の五輪となってしまうだろう。末続選手や北島選手、柔ちゃんや京子ちゃん、それに康生さん(武道家は選手ではない)もいるが、やはりここはQちゃんだろう。経済効果に与える影響も数兆円規模。これは大げさでもなんでもない。デジタルハイビジョンディスプレイや、DVDレコーダー製造元の各メーカーは頭を抱え込んでいるはずだ。

既得利権に群がる陸連の連中が、五輪毎に言われ続けている言い訳無しの一発勝負による選考を回避し続けたツケか。野口だろうが土佐だろうが、世界選手権で勝てなかった選手。二位で喜んでいた選手だ。Qちゃんとはしょせんモノが違う(と小出監督はおっしゃっていた)。坂本に至ってはまだ世界を知らない。しかもまだ二十三才、次があるではないか。

なんといっても高橋尚子はマラソン六連勝しながら世界を制し、世界で初めて二時間二十分の壁を破ったのだ。ちなみにこれは初めて50mを十秒ペース以上でフルマラソンを走った女性選手ということになる。


(42.195Km ÷ 50m)X10秒=8439秒
=2:20:39

どうでもいいことだが、さらに50mを九秒ペースで走れば


(42.195Km ÷ 50m)X 9秒=7595.1秒
=2:06:35.1

と、ほぼ男子マラソンの最高ペースとなる。

今回、条件のよかった名古屋で走っていれば四年前のQちゃんの大会記録程度(二時間二十二分台)は楽にでていただろうに。小出監督の作戦は裏目に出てしまったようだ。でもQちゃん、会見では潔すぎるぞ。もう少し抵抗してもいいのでは。前回優勝者枠、主催者推薦枠、男子枠、他国の枠(笑)でもなんでもいいのでゴネて出れないものだろうか・・・・

まあ、こうなった以上はさっぱり気持ちを切り換えてくれ。

誰が一番かは皆知っているぞ。

そして、皆Qちゃんに感謝しているぞ。

それにアップダウンのきつい真夏のアテネなんて走ったら選手生命縮めるはずだ。期せずして悲劇のランナーとなってしまったが、今後は高額賞金のレースを選んで、年一回ぐらいのペースで勝ちまくってくれ。そして、自分の為に走ってくれ。あと、高木ブーとのCMはやめてくれ(笑)。

あとはTV局のリポーター争奪戦か。どの局に決まるのだろう。松岡修三とのツーショットだけは避けて欲しいものだ。キュートなリポーターあるいは日本大使として活躍してくれるのなら、しっかり五輪を見ますとも。

沿道をラドクリフより早く走り抜けながらのロングリポート、期待してます。