薄情息子

発熱も治まった小二の末っ子と久しぶりに一緒にお風呂に入った。湯船に浸かりながら末っ子にこう聞いてみた。

「なあ、お母さんが入院で居ないと寂しいだろ?」

すると、末っ子はお風呂のお湯をじっと見つめて黙っている。しばらく無言の時間が過ぎ、私は独り言のように呟いた。

「やっぱりお母さんに逢いたいよな・・」

すると末っ子は顔を上げるとこう言った。

「お母さんの顔、忘れた」