土曜午後

車に乗り込み北へ向かう。桃山城はパスして西に向かい、伏見港公園の駐車場に車を停める。料金は30分200円。2Lのペットボトルから、各自の500mlのペットボトルへお茶を補充する。宇治川派流の川沿いをのんびり徒歩で北上する。末っ子の小一の息子と手をつないで歩く。小五の長男がまとわりついてくる。

川沿いの土手に垂れる柳、古い街並み。川は清流とは言えず、少々込み入ってはいる物の、風情は感じられる。酒造工場が多い。黄桜、月桂冠など、飲みたくない大手酒造メーカー工場が見えてきたところで川から離れ土手を登り街に出る。坂本龍馬が襲撃を受けた寺田屋を見てから中書島駅に向かう。街並みは京都というより大阪のイメージ。いろんな物が有り、ごちゃごちゃしていて何か変な感じがするのではあるが、不思議と落ち着く。伏見港公園に戻り、車に乗りさらに北を目指す。

国道24号線を北上し、九条で東大路に入り、京都の市内を抜けて国道367号線に合流。東大路は京大横を走っていて、片側二車線なのだが、路上駐車が多く、さらに流しのタクシーが、二車線をまたいでトロトロと走るので走りづらい。367号に入ると、途端に快調に流れ出す。目指すは大原三千院

三千院の側の駐車場に車を停める。一回五百円。数分坂を登ると、三千院の入り口が見えてきた。拝観料六百円。山中なので、紅葉は全く終わっている。が、モミジだけは木によって紅葉の時期が異なるのか、所々に素晴らしい色合いを見せている。三千院の寺院内は、やたらと物売りや張り紙が多く、俗な印象。お茶の席の赤い絨毯も場に適わない。本堂にも、「今日の一言」みたいなのが貼ってある。曰く「欲は持っていても良い、もっともっとは捨てなはれ」と書いてある。ほっといてくれ。

庭園は見事に苔に覆われている。惜しいことに日が沈み暗い。まだ四時過ぎだというのに・・・十二月初旬は一年で一番日が沈むのが早い。しばらく院内を散策する。子供たちは、院内でスタンプラリーをやっている。ちゃんと見ているのか心配になるが、自分が子供の頃なんて、まったく寺院には興味が無かった事を思い出し、心配するのをやめる。カメラを固定物に押しつけ、セルフタイマーで手ブレを消して、庭園を撮る。

四時半に車に戻り、国道367号線をさらに北へ。途中トンネルという変な名前の有料トンネルを経て、琵琶湖湖畔の宿に向かう。男の子二人と広いお風呂にのんびり浸かり、楽しいところだとだまくらかしてサウナに子供たちを誘う。九十度の温度に長男は驚く。サウナの砂時計をひっくり返し、この砂が落ちきる前にドアを開けるとドアが爆発すると脅したら、二人とも健気にサウナの熱に耐えていた。が、うるさい。まあ、他の客が居ないのでいいが。末っ子は、床付近が比較的温度が低いことを発見し、床にじっとうずくまっていた。面白い奴。