日曜午前

朝早く起床。朝食の時、五合のお櫃でご飯が出てくる。サランラップをもらい、余ったご飯と塩シャケや梅干しでおにぎりを握っておく。朝食後、琵琶湖湖畔に散歩に出て、石投げで水面を何回切れるかで盛り上がる。子供たちはみんな水面をよく切れそうな丸くて平べったい石を探しては、私に見せに来る。私はその石達に適当に名前を付けてやる。

長男には辛い命名。「大無しの石」とか、「取るに足らない石」とか「死にかけの石」と名付ける。末っ子には甘く「究極の石」とか、「至高の石」とか言ってやると、投げずにポケットに入れている。家に持って帰るようだ。さすがに長男は石探しも石投げも上手い。水面で何度も石が跳ねる。投げるときに大声で石の名前を叫んでいる。「役立たずの石〜」とか。変な奴。

九時に宿を出て、昨夕来た道を戻り、国道367号線から白川通りに入り、銀閣寺道の交差点先に20分100円のパーキングを見付ける。スペースが一台だけ空いていた。ラッキー。そこから銀閣寺道の哲学の道入り口に戻り、銀閣寺方面に進み、哲学の道に沿って南下する。 所々にモミジが素晴らしい色合いを残している。哲学の道を歩く人は多い。哲学の道は、お洒落で昭和の時代を強く感じさせる。ボランティアによる整備も良くなされていて、ゴミもあまり目立たない。回りの建物を眺めていても飽きない。でもなんだか少し違和感。ミニチュアの街に迷い込んだよう。私とはスペースやサイズが合わない。閉所恐怖症の影響か。

嫁さんは CONTAX T2 で皆を撮りながら歩いている。私は Nikon NewFM2 で風景ばかり撮る。Contax T3 も活躍。途中でアイスクリームやクレープを食べ、休憩しつつ哲学の道の終点に出る。野村美術館手前で水路脇を西に進む。風情のある水路。観光客もパッタリといなくなり、のんびりと歩く。中一の長女と寄り添って歩く。色々なことを話す。彼女とは会話が弾む。似た者同士?

この旅行中、彼女は私のコートを着ている。私が中一の時に親に買ってもらった、VAN Jacket Inc. のウールのダッフルコートだ。二十八年前のコート。私も結婚するまでは毎年着ていた。当時は細かったのだ。買ってから二十八年たった今、見返してもどこも悪くなっていない。縫い目も合わせもしっかりしている。孫にも着せたいものだ。それにしても長女はいつのまにか大きくなった。私が中一の時より確実に大きいだろう。並んで歩くとよく分かる。高めの靴を履いているので、私と視線がほとんど変わらない。腰の位置は完全に娘の方が高い。うーん。

京都市動物園に突き当たり、岡崎公園でおにぎりを食べてから平安神宮を詣でる。建造物の大きさに、末っ子が興奮している。そして、やたらとおみくじを引きたがる。ダメと言ったらしばらくすねていた。それもいい感じ。時間節約のため、平安神宮から銀閣寺道までバスで戻る。大人220円。約10分。それにしても京都のバスの運転手は荒っぽい。たまたまそういう運転手だったのか?ブレーキを踏む力に優しさが感じられない。