シャラポア



東レパンパシフィックオープン決勝を見る。ワンマッチ通して彼女のゲームを続けて見たのは初めてだ。しかし、妖精と呼ばれるイメージとは程遠いパワーテニスには驚かされた。あくまでフラットショットにこだわり、高い打点での強打の連続。狙うはネット上30cm。まるでボールに憎しみをぶつけるようなテニススタイル。

華やかな見た目からは、フォアはトップスピン、バックはスライスショットを左右に丁寧に打ち分け、ロブを上げ、パッシングを決めるオールラウンダーをイメージしていただけに、そのギャップは大きい。

しかしやはり美しい。十七歳とは思えない洗練された美しさと、コートで見せるボールに飛びかかろうとする野性的な美しさのバランスに心を奪われる。

ダベンポートは怪我をしていたらしくちょっと可哀想。しかもエースを決めまくってセットを奪った第2セットは、あっさり放送カット。2セット以降セットを奪われてなかったが、走れない姿は痛々しかった。

無理を押して出場したのは、スポンサーへの配慮か、世界ランク一位の意地か。8:2でシャラポアがTVに映り、実況と解説もシャラポア中心、まったくの敵役となってしまった。後半はダベンポートの応援に回る。彼女のナチュラルにスライスするサービスはやはり迫力充分。しかし、ダベンポートは奇声を上げなくなったなあ。いつからだろう。シャラポアもそのうち静かになるのだろうか。

セリーナ姉妹とダベンポート率いるアメリカパワー軍団V.S.ロシア美少女軍団、今年の女子テニスが面白くなってきた。