夏休み終了〜登山マイブームの兆し

「朝明渓谷 >> 猫谷林道 >> 羽鳥峰峠 >> 金山 >> 猫谷旧道 >> 朝明渓谷」

夏休みはあまりネットにも出ずに、ひたすら海と山で過ごした。なのでここも久しぶりの更新。

例年夏休みは、嫁さんが仕事なこともあり、私が子供たちの宿題を見たり、遊び相手をしている。今年も海に毎日のように出かけ、夜は庭の煉瓦コンロでバーベキューを楽しみ、気が向けば今年の春に出来た町立の図書館に通い、借りてきた本を読みつつ子供たちの宿題の面倒を見た九連休となった。

今までも我々家族は低山中心の山登りやハイキングが好きでよく出かけているのだが、この夏休み、少し本格的な登山に挑戦してみた。鈴鹿の 1000m 級の山の尾根を家族で歩いてみる計画を立てたのだ。ガイドブックで一般向きの入門コースを選ぶ。今回は朝明渓谷周辺の山を目指した。

十七日の土曜日、嫁さんや子供たちのリュックに各自カッパ、着替え、軍手、帽子、タオル、おにぎり、麦茶を凍らせておいたペットボトルなどを詰め、私のリュックにはさらに大量の麦茶が入った水筒と地図とカメラを入れて朝七時に出発、知多半島道路伊勢湾岸道路を経て湯の山温泉のすぐ北にある朝明渓谷に八時半に到着。

この一年間に立て続けに開通した、名古屋高速の東名小牧 IC 接続と、伊勢湾岸道路の川越での 23 号線接続は、県外に出るモチベーションをとても高めてくれる。知多半島の住人からすれば、信号無しで名古屋を通過できるので非常に便利。

さて、話を鈴鹿に戻す。朝明渓谷ヒュッテ駐車場に車を停め(一日500円)、リュックを背負い出発。まずは猫谷林道を羽鳥峰に向かう。途中、猫谷旧道との分岐があったが、旧道は険しいらしいので、小一の末っ子のことを考え、林道を選ぶ。後でその険しさを知ることになるのだが・・

大量の汗をかきつつ、麦茶で水分を補給しながら十一時過ぎに無事、羽鳥峰峠に到着。この尾根は三重県滋賀県の県境でもある。360度のパノラマ展望が素晴らしく、しばらく山頂で小休憩。この羽鳥峰峠から、北に行けば滝巡りをしながら釈迦ヶ岳へ、南に向かうと中峠、水晶岳、根ノ平峠、さらには国見、御在所岳と県境を尾根づたいに歩けるらしい。我々は南に根ノ平峠まで進み、そこから朝明渓谷に下るコースを予定していた。しかし・・・

羽鳥峰峠から蟻地獄のようなザレ場を金山に向かって進む。末っ子が足をとられて動けなくなる。なんとか登らせ、中峠に向かうあたりから、笹が尾根道をびっしり覆い、足元も穴や溝が多くなる。視界を笹で閉ざされたまま悪路を進む。三十分ほど笹をかき分けつつ悪戦苦闘したが、いつまで続くか分からない悪路に精神的にも肉体的にも疲れてきたので、引き返すことにした。この時出会った夫婦連れはそのまま進んで行った。後を付いていこうかと少し迷ったが、こちらは初心者、すんなり諦める。

しかし、子供たちはタフだ。どんな悪路でも笑いのネタにして後ろから付いてくる。レミングスのようだ。こちらも子供たちを笑わせずにはいられない。このタフさは毎日片道四十分の山越え通学が生きているのだろう。

羽鳥峰峠の手前まで戻り、来た道とは違う道がいいと考え、下りの気安さも手伝って、猫谷旧道を下る。やはり険しい。「ここを登ってきていたらと思うとぞっとするな〜」と話しながら、半分崖のような登山道をロープを頼りに下る。小一時間ほど下ると川と登山道が境目がなくなり、適当な岩場を見つけて、昼食の大休憩。すぐに川に足を浸す。冷たい水が火照った体にとても気持ちいい。アブや蚊もいないし、全く人が通らないことをいいことに、子供たちは水遊び。我々は木陰の岩の上で横になる。ウグイスや野鳥の声、沢を登ってくる涼風、人工音のない世界。

水晶岳を諦めた分、時間的に余裕があるので、九十分近くのんびりした後、身支度して出発。朝明渓谷へ下って行く。所々でそれぞれのペットボトルにリュックの水筒の水を補給する。結局六人で7リットルの麦茶をほとんど消費した。これからも麦茶は余るほど多めに持って行くことにする。

途中、人工のダム横の斜面に消えてゆく林道を見失い、ガレ場を登ったりしてしばらく迷うが、 無事ルートを発見して、朝明渓谷に二時半に到着。皆で満足感を共有する。

尾根で別れた夫婦連れと再び出会う。笹藪は、あそこからもう少しでなくなったとのこと。でも、沢は楽しかったのでいい決断だったと自分に言い聞かせる。

朝明渓谷は朝と異なり、バーベキューや川遊びでとても賑わっている。でも、賑わう渓谷一帯が人造の川だ。山では十人ぐらいしか登山者に出会わなかったのに、その人出に驚く。

小一の末っ子も蟻地獄以外は泣き言も言わず、とても楽しかったようだ。「今度は行けなかった方に登ろうね」と言っていた。そういう声を聞くととても言葉で言えない気持ちになる。これからは、登山が我が家の余暇の中心になりそうな予感がする。天候や滑落、落石などに十分注意して、ぼちぼちと数年かけて鈴鹿を制覇したいと思っている。

その経過は Text Site で写真付の登山日記として展開の予定。