20%の男



先日久しぶりに小三の末っ子とゆっくり風呂に入った。湯布院の温泉の素の入浴剤を入れ、のんびりお湯に浸かる。先に湯から出て身体を洗い、シャンプーを終え、もう一度温まると入れ換わりに末っ子がお風呂から出て身体を洗い始めた。

暇なので一部始終を見ていたが、タオルに石鹸をおざなりに付け、身体をさっと一度なでて終わりだ。タオルが届いていない部分も多い。父親としては当然抗議をする。

「おい、なんだその洗い方は。もっと隅々まで丁寧に洗え」

すると末っ子は胸を張ってこう言った。

「俺の身体はお湯に浸かって80%綺麗になっている。だから身体を洗うのは20%の力でいいんだ」

笑いをこらえつつ、いやがる末っ子の身体をゴシゴシと洗い直す。